高卒の筆者、2022年に実施された行政書士試験に合格しました!
行政書士試験は、高卒で法律と無縁の世界で生きてきた人でも合格できる試験です。
独学でも十分合格できる難易度のため、経済的に余裕のない人が一念発起するのにちょうどいい試験です!
合格率10%台という数字に惑わされて受験を諦めるのはもったいない!
高卒の法律初学者が行政書士を実際に勉強した実感と難易度について記していきます。
高卒者でなくても勉強する習慣のない人が一念発起して、行政書士に挑戦するときの参考になれば嬉しいです。
Contents
高卒の法律初学者でも行政書士試験に受かる
法律初学者かつ高卒者が独学で行政書士試験に合格しました。
行政書士試験は難関試験の1つだと思われているかもしれませんが、コツコツ勉強すれば誰にでもチャンスがある試験です。自分は本格的に取り組んで約10ヶ月で合格しました。
勉強さえ習慣化できれば、高卒でも十分戦える難易度だと思います。
高卒者がまずやるべきことは、いきなり何時間も勉強することでなく毎日継続して学習することです。
「継続は力なり」を心に刻んで日々の勉強をを積み上げれば、高卒でも行政書士試験に合格します。
高卒自体がマイノリティだからこそ価値がある
大学進学率が6割近くまで上昇している現在、高卒は少数派です。だからこそ、高卒者が難関試験だと思われている行政書士試験に合格という状況に付加価値が生まれます。
ちなみに、日本の高校を卒業した人の進路先の割合は以下の表の通り。高卒就職者は100人中、約16人というマイノリティです。
進路 | 割合(%) |
---|---|
大学・短大 | 57.4 |
専門学校等 | 22.1 |
就職 | 15.8 |
その他 | 4.7 |
進路の「その他」を加えても20%強なので、行政書士受験を考えている人の多くは大学・短大卒か、専門学校を出ていると見立てて良いでしょう。
高卒者で行政書士試験を考えている人は、ただでさえ社会に出るタイミングが早いマイノリティでありながら、資格試験を受験するスーパーマイノリティ頑張り屋さんです。
受験を決めたら、合格率に惑わされずにコツコツ勉強しましょう!
余裕で合格する試験ではない
法律系資格の中で簡単と言われるとはいえ、行政書士試験を舐めてかかると失敗する可能性が高いです。
ただ、全く歯が立たない試験というわけではありません。コツコツ勉強すれば必ず合格します。現に、高卒の筆者が独学で合格していますからね。
大卒者にとっては「高卒にもできたなら自分も」とカンフル剤になるはずです。
とはいえ、100人に10〜12人しか合格しない試験です。名前を書けば合格する試験ではありません。毎日勉強する習慣をつけて、着実に実力を積み上げましょう。
行政書士試験が難関資格だと思われる理由3つ
行政書士試験は決して簡単ではないです。しかし、血反吐を吐くような難関資格でもありません。
計画的に勉強をすれば合格できる難易度なのに、行政書士試験が難しいと思われる理由は3つです。
- 10%台という合格率の低さ
- 学習範囲の広さ
- 択一式の難易度の高さ
順番に見ていきましょう。
10%台という合格率の低さ
難関試験だと思われている理由の一つに合格率が挙げられます。
過去5年間の合格率をまとめると、10%強で推移していることがわかります。
年度 | 合格率 |
---|---|
令和4年度(2022年) | 12.13% |
令和3年度(2021年) | 11.18% |
令和2年度(2020年) | 10.72% |
令和元年度(2019年) | 11.48% |
平成30年度(2018年) | 12.70% |
100人中、10〜12人しか合格していないため、難易度の高い試験だと思われがちです。
しかし、行政書士試験は受験資格を設けておりません。そのため、誰でも受験できる試験のため受験者のレベルはさまざまです。
行政書士受験者の年齢割合を以下の円グラフで確認しましょう。
40代が最も多く、次いで50代30代と続きます。
家庭や仕事で忙しい年代が行政書士受験者のボリュームゾーンです。つまり、十分な勉強時間の確保ができない人がそれなりに存在すると推測できます。
試験内容の難しさという要素にプラスして、受験者の仕上がり具合も合格率の低さに寄与していると考えてよいでしょう。
つまり、合格率≠試験の難しさ といえます。合格率の低さにビビる必要はないです。
法令・一般知識の学習範囲の広さ
行政書士試験の特徴は、試験範囲の広さです。
法律の知識だけでなく、社会情勢の把握や文章理解能力も求められるため、運の要素も含む試験とも言えます。
行政書士試験は以下の項目から出題されます。
<法令科目>
- 憲法
- 基礎法学
- 行政法
- 民放
- 商法・会社法
<一般知識>
- 政治・経済・社会
- 情報通信・個人情報保護法
- 文章理解
法令科目は5科と、非常に範囲が広いです。
そのため、得点源となる行政法は完璧にして条文の多い会社法は深入りせずにテキストで知識固めをする、といった戦略を立てなくてはなりません。
一般知識も同様に、メリハリをつけた勉強をする必要があります。
択一・記述の難易度の高さ
行政書士試験は、5択から正解を選ぶ択一と記述で主に構成されており、トータルで6割以上得点しなくてはなりません。
”6割得点”は一見簡単そうに思えますが、条文の意味を正確に覚えていないと正解できない問題が多いです。
記述は設定された条件に合致した方法を提示しなくてはならないため、適用条件まで正確に暗記する必要があります。
また、法令・一般知識共に足切り基準が設定されており、トータルで6割得点してもどちらかが基準に達していない場合、不合格です。
合格するためには、正確な知識をどれだけ頭に叩き込むかがカギとなります。
行政書士の難易度は高くない|子持ちは辛いかも
行政書士試験は合格率の数字から受けるイメージから難しいと思われがちですが、実際の難易度は高くないです。
高卒の法律初学者でも1年間真面目に勉強すれば十分戦えますし、大学進学して法学部に在籍していた人なら数ヶ月の勉強で合格できるでしょう。
しかし、以下の条件に当てはまる人は合格の難易度が上がります。
- 子持ち
- 週末も出社するレベルの激務
個人的に、フルタイムワーママで行政書士試験を突破した人は神だと思います。
また、週末も出社しなければいけなかったり、海外出張の多い企業に勤めながら合格を勝ち取る人は猛者です。
というのも、行政書士の勉強は暗記する前に読み慣れない文体で内容を理解しなくてはならないため、慣れるまでまとまった時間が必要だからです。
ただ、Twitterを見ているとワーママやゴリゴリの企業戦士でも合格を勝ち取っているので、不可能ではないんでしょうけど、難易度は一気に上がるだろうなと感じています。
独身高卒・高卒DINKsは正しく努力すれば合格する
少なくとも、子どものいない高卒者は暗記が苦手でもコツコツ勉強すれば行政書士試験に合格できます。
勉強する習慣のない人は、1年計画でゆるく勉強進捗の目安を定めておきましょう。
また、最初からフルスロットルで勉強するのではなく、徐々にギアを上げていくイメージで取り組むことが大切です。
勉強を始めたばかりのときは、毎日5時間も勉強しなくても大丈夫。
テキストを開いていない日があったとしても、自分を責めずに翌日、翌々日に机に向かえれば良しとしましょう。
正しい努力のうちの半分は勉強の習慣化です。
勉強することが習慣になれば、合格の切符は半分手に入れたも同然ですよ。
高卒者が行政書士試験を突破する2つのポイント
合格するために重要なポイントは、以下の2つです。
- 勉強時間の確保
- 注力する科目の選定
社会人の資格取得で最も重要なポイントが”勉強時間の確保”です。むしろ、勉強時間をコントロールできないと試験突破は難しいでしょう。
アプリを活用してすき間時間を有効に使うといった工夫は必要です。
また、試験範囲が膨大なので、注力する科目と力を抜く科目を作りましょう。
ただし、まれに「〇〇は捨てる」という人を見かけますが、個人的に捨て科目を作るのはおすすめしません。
なぜなら、メインの多肢選択問題は1問4点と配点が大きいため、少しでも得点源を作った方がいいからです。力を抜く科目を見極めることは重要ですが、一切手を付けずに試験に挑めば合格から遠のきます。
行政書士試験突破を目指すなら、効率良く知識を頭に入れることを意識しましょう。
やみくもに勉強しても時間のない社会人受験生は合格から程遠いでしょう。勉強の習慣のない高卒者ならなおさらです。
きちんと科目ごとの特徴を把握して戦略的に勉強することが、合格への近道と言えるでしょう。
まとめ
行政書士試験の合格率は10%強ですが、高卒者でも独学で合格できる資格です。
大卒や短大卒なら学生時代に身に付けた勉強のやり方やコツを活かして、短期間の学習で合格できるでしょう。
しかし、勉強の習慣がない人だと継続してテキストを開くという行為自体が難しいかもしれません。
勉強するためのペースメーカーが欲しいなら、予備校や通信教育を利用することも検討しましょう。オンライン授業なら、低価格で受講できます。
独学で頑張るなら、毎日1行でもいいのでテキストや問題集を開いて勉強の習慣を体に染み込ませてください。
高卒者でも国家資格を取得するんだ!と強い意志で合格をもぎ取りましょう!