独学で行政書士に合格するなら、テキスト&問題集選びは重要です。
法律初学者は、耳馴染みのない法律用語や単語の意味を丁寧に解説したテキストや問題集を選びましょう。
この記事では最初に選んだテキストが合わなくて買い直した失敗も含めて、勉強に使ったテキストを紹介します。
通信や予備校に通っている人で市販の問題集を探している人も参考になるかと思います。
長くなってしまったので、目次から気になる章へ飛んで確認してください。
自分の記事だけでなく色々な人のレビューをみて、自分に合ったテキストを選びましょう。
Contents
理解学習に重要な参考書の選び方
法律初学者にとって、理解学習するための参考書は非常に重要です。
まずは自分のスペックと勉強の特性を明確にしましょう。
自分の特性に合ったテキストでないと頭に入ってこないので、じっくり選ぶことが大切です。
筆者のスペックと特性
まず、筆者が行政書士の勉強を始めたときのスペックはこちらです。
- 高卒
- 法律初学者
- 基礎知識ゼロ
初歩的なことがわからないと挫折する可能性が高く、最初は平易な書籍で理解することが勉強を続ける上で重要でした。
筆者の勉強に関する特性は以下の通り。
- 慣れない単語があると読み飛ばす
- イメージできないと頭に入ってこない
- 豆知識があると興味を持つ
- 赤文字が多いと暗記を諦める
つまり、法律に初めて関わる筆者が必要とするテキストは、合格に必要な最低限の知識を分かりやすくまとめたものです。
法学部卒や法律関係の業務に就いている人なら、試験範囲のすべてをカバーするテキストの方が満足度が高いでしょう。
法律初学者におすすめの参考書
法律初学者&独学者におすすめのテキストは、合格革命 行政書士 基本テキストです。
”真に独学での行政書士試験合格を可能とする書籍”と銘打っているだけあって、非常に親切で丁寧な作りになっています。
合格革命テキストの良かった点は以下の5つです。
- 複雑な内容は図表でまとめてある
- 人物関係図が豊富
- 用語解説・重要判例を挙げている
- 具体例を挙げている
個人的に最も良いと感じた点は、用語解説や重要判例、具体例を挙げているところです。
初学者でも理解しながら読み進められます。
文字だけだと分かりづらい内容はすべて図表にまとまっているのも良い。読んで意味が分からなくても図表で理解できるため、足止めされる時間が少なくて助かりました。
特に、民法だと人物関係図があった方が状況をイメージしやすいです。
パターンごとに人物関係図を掲載しているため、「aのパターンは分かるけどbの場合はわからない」という事態になりません。
注意すべき点を挙げるなら、テキストで全てを理解するのは難しいです。一度通読した後は、問題を解きながら考え方や暗記する方法をおすすめします。
問題の解説では理解できないときにテキストで確認すると効率良く学習できますよ。
使い込んだ度合いを点数で表すと、3.3/5点です!
理解・定着に使ったおすすめ問題集
知識の深い理解と定着におすすめの問題集を紹介します。
おすすめの問題集は、以下の4つです。
紹介した問題集を完璧に解けるようになるまで繰り返すことが合格への近道です。
合格革命 行政書士 基本問題集
合格革命のテキストを使用しているなら、基礎知識の定着用として合格革命の問題集がおすすめです。
しかし、基礎中の基礎を集めた問題集なので、この問題集だけだと演習量が圧倒的に足りません。
あくまでもテキストの理解定着に使用するためのものです。
基本問題集は完璧に解けるまで繰り返しましょう。
使い込んだ度合いを点数で表すと、3.5/5点です!
合格革命 行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集
記述は300点中60点(20点×3問)という高い配点のため、重点的に対策しておきたいところです。
この問題集の特徴は、合格に必要な知識を条例・判例の穴埋め問題でまとめていることです。
穴埋め問題を完璧にするだけでも一気に得点力が上がるので、早いうちから取り組むのがおすすめ。
問題集に出ている内容・答えを丸暗記するまで解きまくりましょう。
穴埋め、記述、多肢選択式すべての内容が行政書士試験に合格するために必要な基礎知識です。
使い込んだ度合いを点数で表すと、4.8/5点です!
公務員試験 新スーパー過去問ゼミ6 行政法
新スーパー過去問ゼミ6は、世間でスー過去と呼ばれる公務員試験向けの問題集です。
独学で行政書士受験を突破するなら、スー過去はマストです!絶対に購入しましょう!!
公務員試験向け問題集ですが、出題範囲と難易度が同じなので解いた分だけ実力アップにつながります。
スー過去を激しくおすすめする理由は以下の2つです。
- 切り口を変えた問題の多さ
- わかりやすい解説
同じ内容を切り口を変えて問いてくるため、脳死で問題の答えを覚えてしまうタイプの人に効果的です。
重要な点が簡潔にまとめられているので、直前期に知識のおさらいをするときに役立ちます。
ミスなく解けるまで繰り返しましょう。
スー過去は判例変更や訂正が多いので、必ず新版を購入してください。メルカリなどで購入しても良いですが購入してから公式サイトで訂正確認することも忘れずに行いましょう。
使い込んだ度合いを点数で表すと、5/5点です!
公務員試験 新スーパー過去問ゼミ6 民法Ⅰ・Ⅱ
独学で民法をマスターするならスー過去はマストです!絶対にⅠ・Ⅱ両方購入しましょう!!
スー過去をおすすめする理由は3つです。
- 重要論点で知識の整理ができる
- 解説で解き方の考え方を理解できる
- 切り口を変えた問題で理解が深まる
問題に入る前に重要知識を整理したページが分かりやすく、抑えておきたいポイントが明確になります。
スー過去で考え方・解き方を理解してください。理解した後は、身体に染み込むまで解くことが大切です。
判例変更や訂正が多いので、問題にとりかかる前に必ず訂正箇所のチェックしましょう。
スー過去の民法は行政法以上に活躍しますよ。
使い込んだ度合いを点数で表すと、5/5点です!
合格革命 行政書士 肢別過去問集
肢別過去問集は演習不足を感じて8月半ばに慌てて購入しました。
そのため、完璧に答えられるまで仕上がっていないまま試験に臨むことになりましたが、直前期のアウトプットに役立ったのでおすすめです。
特に、地方自治法や基礎法学、会社法、個人情報保護法といった他の問題集だとボリュームの少ない科目もそれなりのボリュームなので、まんべんなく勉強できます。
個人的に後悔したポイントは、ケチって購入をためらっていたことですw
遅くとも梅雨前には手に入れておきたい問題集ですね。
使い込んだ度合いを点数で表すと2.7/5点ですが、購入すべき度合いは4.5点です。
失敗した行政書士の参考書・問題集
テキスト選びに失敗したものや、購入した者の必要なかった参考書を紹介します。
注意して欲しい点は、筆者の特性にハマらなかっただけということです。
多くの人から支持されている人気のテキストなので、相性が良ければがっちりハマると思います。
- みんなが欲しかった! 行政書士の判例集
- 伊藤塾 うかる!行政書士 総合問題集
- 伊藤塾 うかる!行政書士 総合テキスト
- 公務員試験 新スーパー過去問ゼミ6 憲法
筆者との相性が良くなかっただけで、どの書籍もAmazonで評判の良い本です。
みんなが欲しかった! 行政書士の判例集
最も後悔した買い物が判例集です。
判例も重要だとネットで見かけたので、判例集を購入しましたが一切使いませんでした。
行政書士試験の範囲は膨大なので、判例集を見る暇があるなら問題集を解くべきです。
繰り返し問題集を解いていると、重要な判例はおのずと頭に叩き込まれます。
購入して一回しか使わなかったです。
使い込んだ度合いを点数で表すと、0.3/5点です!
伊藤塾 うかる!行政書士 総合問題集
うかる!行政書士 総合問題集は、法律初学者にとって難しかったです。
解法に飛躍があり、すでに知識があることを前提に答えが導かれている印象を持ちました。
筆者が取り組んだ問題集の中で、最も上級者向けの問題集だと思います。
スー過去と合格革命の基本問題集で基礎固めをした後に取り組んだらスムーズでしたw
出題の2/3〜半分ほどは合格革命の基本問題集と被っていましたが、解説の違いが面白かった&もったいなかったので うかる!の総合問題集もしっかり解きましたよ。
ちなみに、総合問題集の記述問題は豊富でした。直前期まで気付かなかったので、丸暗記できませんでしたが頭に叩き込めばもっと高得点だったと思います。
使い込んだ度合いを点数で表すと3.3/5点ですが、初心者へのおすすめ度は2/5点です。
伊藤塾 うかる!行政書士 総合テキスト
行政書士試験対策書籍で、3年連続売上No.1を記録(2019.12月~2021.9月)のテキストですが、筆者には上手くハマりませんでした。
うかる!総合テキストと筆者が最後まで使用した合格革命 基本テキストを比較してまとめたので、以下の表で確認しましょう。
うかる!総合テキスト | 合格革命 基本テキスト | |
---|---|---|
出題範囲 | ◎ かなり詳細で出題範囲ほぼすべてをカバー | 〇 合格に必要最低限の内容を詳しく解説 |
図表 | 〇 理解が難しい箇所に図表あり | ◎ 過不足なく図表あり |
用語解説 | △ 初学者だと足りない | ◎ 初学者でも理解できる |
向いている人 | 理解力の高い人 全ての範囲をカバーしたい人 | 豆知識と関連付けて覚えたい人 |
うかる!総合テキストは全ての範囲をカバーしているため、読み込んで頭に叩き込めば確実に合格できます。
ただし、ボリュームが多い分、文字数も多くなるため理解力のある人向けです。
合格革命で基礎固めしたので使い込んだ度合いは1.6/5ですが、足りない知識の確認に使えるため、おすすめ度合いは3.3/5です。
公務員試験 新スーパー過去問ゼミ6 憲法
行政法と民法で大活躍のスー過去ですが、憲法の出題内容は微妙に異なっています。
数回まわした後は、試験範囲が被ってる箇所のみ解くという使い方をしていました。
スー過去の憲法は思考力を問う問題が多かったように感じます。
ただ、行政書士の試験範囲である国会・内閣や地方自治・法形式などもカバーしているため、もしかしたら役に立ったかもしれません。
多くの人は時間に余裕がないと思うので、購入しなくても良いと思います。
使い込んだ度は3.2/5であるものの、試験範囲が異なるのでおすすめ度は2/5点です。
マストではないけど使用した参考書
絶対に必要とまでいかないものの、行政書士の勉強に使った参考書を紹介します。
買って損はしないですが、人を選ぶのでレビューを見てから購入してください。
うかる!行政書士 入門ゼミ
本格的に勉強に取り組む前に読んでおくべき一冊という位置づけの書籍です。
行政書士受験を迷っているなら、この本を読んで勉強するか判断することをおすすめします。筆者はこの本を読んで受験を決意しました。
ただし、この本は時間をかけて読むものではありません。
あくまでも試験で勉強すべき概要を紹介しているだけなので、病院の待ち時間や勉強の気分転換といったすき間時間に読む本です。
うかる!総合テキストでチンプンカンプンなときに入門ゼミで概要を確認するのに使用しましたが、合格革命のテキストを購入してからは使用していません。
法改正の影響が少ないので、この本はメルカリや中古でOKです。
使い込んではないですが、受験を決めるときに役立ったのでおすすめ度は2.4/5点です!
うかる!行政書士新・必修項目115
必修項目と書かれていますが、試験範囲のほぼ全てを網羅した知識のまとめ本です。
直前期は苦手な項目の確認に使っていました。
この本の良い点は以下の内容が記載されていることです。
- 重要条文・判例
- 語呂合わせ
- ワンポイントアドバイス
行政不服審査法と行政手続法の適用除外が混ざってしまい、困っていた筆者はこの書籍の語呂合わせで覚えました。
ワンポイントアドバイスは実践的なので、その部分を読むだけでも得点アップにつながります。
「勉強を済ませた人の知識確認のための本」として使用するなら活躍するでしょう!
ただ、この本にはデメリットがあります。
索引がついていないので、勉強中に「この単語の正確な意味を知りたい」というときに使いづらいんです。
スー過去に索引がついているので、分からない単語があればそちらで引いて確認しましょう。
暗記量が足りず直前期は寝る前に眺めてたため、使い込んだ度合いを点数で表すと3.7/5点です!
すき間時間の勉強におすすめアプリ
すき間時間を有効活用するために、問題集に取り組むタイミングで演習用のアプリをとりましょう。
筆者は直前期になって「このままだと間に合わない!すき間時間でも演習できるアプリないかな!?」と焦り始めてから取得しました。
アプリを精査する余裕がなくてネームバリューだけで「資格の大原 行政書士 トレ問」を選びましたが、使い勝手がよく満足しています。
ただ、今は良さげなアプリが沢山出ているのであまり参考にならないかもしれません。
資格の大原 行政書士 トレ問が良かったポイントはこちら。
- 圧倒的な問題量
- 問題ごとに何回解いたかわかる
- 出題条件を細かく設定できる
条文を覚えるのが苦手で問題集をこなして覚えるタイプの筆者にとって、圧倒的な問題量は魅力でした。
何回目の問題なのか表示されるため、どういった内容の知識が不足しているのか明確になって良かったです。
難易度や正解率、理解度で出題条件を調整できるため、無駄なく勉強できたと思います。時間のない筆者にとってかなり重宝した機能です。
無料アプリがあるなか大原のアプリは科目ごとに課金する仕組みのため、強くおすすめはしませんが、満足度の高いアプリだと思います。
使い込んだ度は3.7/5点です!
自分に合った参考書・問題集を購入しよう
範囲の広い行政書士の勉強は自分の特性に合ったテキスト・問題集で行いましょう。
特に、テキストは相性の良し悪しが激しかったように思います。
最初に参考書や問題集を揃えるのではなく、勉強を進めながら買い足す方法がおすすめです。
行政書士の勉強を始めるときに最低限揃えておきたい書籍はこちらです。
- 基本テキスト
- 基本テキストに準じた問題集
- 40字記述式・多肢選択式問題集
- スー過去(行政法・民法)
テキストは自分に合うものを選びましょう。
予備校や通信講座を受講している人で揃えておきたい書籍はこちら。
- スー過去(行政法・民法)
- 肢別過去問集
予備校や通信講座を受けている勉強アカウントを見ていたところ、多くの人がスー過去と肢別過去問集を使用していました。
ただ、予備校や通信講座の予習復習で手一杯という人は、まず手持ちのテキストや問題集をこなすことが大切です。