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高卒と大卒の賃金格差はなぜ?|実は女性の方が格差は大きい現実

体感として学歴によって賃金が変わることは分かるものの、「一生懸命働いているのに賃金が低い理由がわからない!」という人もいるでしょう。

実は、高卒女性と大卒女性だと、男性よりも学歴による賃金格差が大きいです。

また、企業規模によって働き方の柔軟さも変わってきます。

今回は、学歴による賃金格差が起こる原因を解説した理論を中心に紹介します。

後半で女性の学歴と賃金の差についても解説します。

生きていくうえで切っても切れない、賃金と学歴について考えましょう。

高卒と大卒の賃金格差があるのはなぜ?

企業勤めをしていると「学歴で賃金差がこんなにもあるのか!?」や「同じ仕事をしているのに賃金が低いなんて!!」とやるせない思いをしたことは高卒者ならあるでしょう。

学歴(教育水準)と賃金は比例していくことは良く知られているものの、要因は以下の2つに大きく分けられます。

  • 教育による生産性を主張する人的資本理論
  • 個人の能力を顕示する装置と見なすシグナリング理論

国によってどちらの理論が優勢か異なったり、検証するにもさまざまな要因が絡んだりして、一概にどちらが優位とは言えません。

最近は、人的資本モデルの延長にシグナリング理論も含まれるという考え方が優勢です。

ゲーリーベッカーによる人的資本理論

人的資本とは、教育を受けたらその分だけ生産性が高くなるという考え方です。

人を資本とみなして投資をすれば、リターンを得られるという理論になります。

たとえば、高卒と大卒を比較してみましょう。

実情はどうであれ、建前として大学では高度な内容を専門的に勉強するため、必然的に高卒よりも多くの知識を得ることになります。

そのため、より社会に貢献できる働きが可能という結論に至るのです。

確かに、会計や法律といった高度な専門職であれば、たくさん勉強しないと仕事にならないですから納得ですよね。

まぁ、大学で学んだことが直接仕事に繋がっている人は少数だと思いますが、ざっくりと人的資本理論を説明するとこんな感じです。

マイケルスペンスによるシグナリング理論

マイケルスペンスのシグナリング理論とは、「学歴は一種の指標」です。

就活では、入社前に面接などを行いますが、求職者の本来の実力を100%見抜けるものではありません。

また、求職者も自身の能力をアピールするには、相対的に分かりやすい指標が必要となります。

分かりやすい”シグナル”として学歴が用いられてきたという説がシグナリング理論です。

ここで「大卒」というシグナルを深掘りしてみましょう。

大学にもいわゆる、一流から三流までさまざまなレベルの学校が存在しており、同様に”シグナル”も大学のレベルによって強弱が出てきます。

シグナリング理論では、以下のように仮定できます。

  • 能力の高い人はコスパ良く一流の学歴を手に入れる
  • 能力の低い人は効率良く勉強できないため、一流の学歴を手に入れづらい

この仮定をもとに企業の心理を紐解くと、学歴を通して人材の選別がなされているとみなしています。

企業からすれば、「当たり人材」の確率を上げたいので納得ですよね。

この流れが長年続いているということは、上記の選別で上手くいっているということでしょう。

大卒と高卒の賃金格差の理由は、少々乱暴ですが以下のようにまとめられます。

  • 高度な教育による生産性の高さの評価
  • 要領の良い(仕事のできる)人材の確率

どちらにせよ、行きつく先は「学歴の高い人ほど高待遇」の傾向が見られるということです。

中卒・高卒女性は生涯賃金で不利

体感で学歴が上がるにつれ、賃金も上がることは分かっていると思います。

男女の差で学歴はどのように作用しているのか統計で確認してみましょう。

下記は、高卒を基準として、中卒・短大卒・大卒による賃金の値の変化を表したものです。

中卒・高卒女性は生涯賃金で不利

出典:厚生労働省 男女別賃金構造の違いに関する分析-学歴の賃金に与える効果

このグラフから、男性よりも女性の方が学歴と賃金は比例していくことがわかります。

2006年の資料のため情報が古い点は否めませんが、女性こそ学歴で賃金アップを狙えるんですよね。

学歴と賃金が比例する理由はいくつか考えられますが、最大の理由は学歴を持っている女性の方が労働環境の良い会社に入社できる可能性が高いということです。

また、役職による賃金アップの効果は男性よりも女性の方が高いです。

元々の賃金が低く抑えられているので、役職による賃金が上がる効果がダイレクトに効いてくるのでしょう。

大企業の方が自由な働き方を実現しやすい

高学歴の方が賃金が良いという身も蓋もない事実を突きつけられたわけですが、ちまたで言われている「大企業の方が自由な働き方を実現しやすい」というのも事実です。

追い打ち~。めった打ち~~!

辛辣~~!

週休制の形態を企業規模ごとに見ていきましょう。

<企業規模ごとによる週休制度>

企業規模週休1日~
1日半
週休2日より
少ない
完全週休二日制完全週休二日制より実質的に多い
1,000人以上1.9%11.8%72.9%13.4%
300~999人2.5%25%61.5%10.9%
100~299人4.5%29.4%54.4%11.7%
30~99人7.9%39.3%45.1%7.6%

引用:令和3年就労条件総合調査の概況 p5

企業規模が小さくなるほど、週休の日数は少なくなります。

言い換えれば、企業規模の大きな会社ほど人手が足りている状態です。

個人的には、完全週休二日制より実質的に多い会社もあることにビックリしました。

変形労働(フレックスタイム)について

小さなお子さんのいる家庭であれば、働く時間の融通が利くフレックスタイム制があると働きやすいです。

フレックスタイム制でなくても、変形労働時間制を利用して、労働時間を調整している企業も見られるようになってきました。

変形労働時間制とは、定められた期間での労働時間を調整する制度のことで、法定労働時間を超えない範囲内で労働時間を調整できます。

たとえば、月末の忙しい週は1日11時間、月初の余裕のある週は1日5時間勤務と、労働時間を振り分けられる仕組みです。

実際に変形労働時間制の制度を採用している企業の割合を確認しましょう。

<変形労働時間制の割合>

企業規模変形労働時間制採用なしフレックスタイム制一ヶ月の
変形労働時間制
一年の
変形労働時間制
1,000人以上23.6%28.7%49.8%21.3%
300~999人30.5%15.6%39.0%25.1%
100~299人36.9%8.7%29.8%31.1%
30~99人43.1%4.1%21.3%32.5%

引用:令和3年就労条件総合調査の概況 p9

企業規模の大きな会社でも、フレックスタイム制だと採用しているところは3割程度ですが、変形労働時間制だと半数近くで採用されています。

フレックスタイムに限って言えば、難しい職種や部署もあるので、企業規模だけで比較するのはナンセンスかもしれません。

しかしながら、企業規模が大きいほど働くタイミングの裁量は持たせてもらえる傾向はあるようです。

このことから、規模の大きな企業であるほど働き方に融通が利きやすいことがいえます。

つまり、大手企業に入社できるほどの学歴をもった女性であれば長く勤めることもできるし、満足のいく賃金を貰える可能性が高いといえるでしょう。

学歴のない女性は人生ハードモードか

ここまで見てきて、学歴のない女性は人生ハードモードかと絶望した人もいるでしょう。

実は、男性よりも女性の方が学歴が賃金に響いてくると知っていた人は少ないかもしれませんね。

ただし、女性だからこそ自由な生き方を模索できるのも事実です。

自立という観点から見るとハードかもしれない

ただでさえ、男性よりも賃金の少ない女性である上に学歴がないとなると、自立という観点で見ると人生はハードモードかもしれません。

賃金の面だけでなく、人手不足などの問題も出てくるため柔軟な働き方がしづらいこともあります。

一生独身でい続けるなら、なかなか上がらない賃金に将来の不安を感じるのも無理もありません。

賃金の上昇を狙うなら、高卒女性のまま雇われで働き続けるよりも、税理士や司法書士などの資格を取得して独立する方法を検討しましょう。

好きなことを仕事にする幸せ

ある程度働いて自己資金を貯めたり、結婚して育児が落ち着いたりすると自分のスキルを生かして起業したり、本当にやりたかったことを仕事にする女性が出てきます。

なぜなら、副業やフリーランスの増加など働き方は多様化しているからです。

お料理教室の自宅開催やWEBライターなどは、家にいながら商売をすることができます。

また、OLからヨガの講師やアイリストに転身して、ゆくゆくは自分のお店を持つ人もいます。

結婚や脱サラをして自分の好きなことや趣味を仕事に昇華してる女性は少なくありません。

また、家庭運営を第一にしている人であれば、あえて自身の労働時間を抑えた働き方をしている人もいるでしょう。

高卒で賃金が低いからといって、人生ハードモードが一生続くわけではありません。

自分らしい生き方を模索して、事務職OLから自分らしさを生かせる仕事に転職すれば、賃金が大して上がらなくても人生の質は変わってきます。

まとめ

高卒女性は、男女の賃金格差にプラスして学歴による働き方の格差に晒されることがわかりました。

今後の人生をイージーモードにするためには、「良い大学に行って良い会社に就職すること」に高校生の時点で気付く必要があります。

すでに社会人として生きている高卒女性には、元も子もない話ですね…

ただし、女性だからこそ、自分の生活に合った働き方をチョイスできることは強みです。

また、技術を売りにして、自分らしく生き生きと暮らしている人も少なくありません。

自分らしい生き方を実現することは、高卒女性でも巻き返しできます。

現在高校生で進路について悩んでいるなら、こちらの記事も参考にしてください。

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