独学だと「商法(会社法)の範囲が広すぎる!」と商法の勉強で悩むケースが多いです。悩んだ結果、商法自体を捨てる人もいますが最初から諦めるのは絶対におすすめしません!
なぜなら、捨て科目にするには配点が大きいですし、効率良く勉強すれば貴重な得点源となるからです。
実際、独学受験した筆者は5問中4問正解しました。(ヤマ勘まぐれ得点もありましたが…)
今回は、商法の特徴と配点、科目ごとの勉強法について紹介します。商法を得点源にして合格点を余裕で超えられるようにしましょう。
Contents
商法の問題数・配点
商法の問題数と配点を以下の表で確認しましょう。
問題形式 | 問題数 | 配点 |
---|---|---|
五肢択一式 | 5(1題4点) | 20 |
行政法や民法と比べて配点の割合は決して大きくないです。しかし、捨て科目にして得点ゼロを覚悟するなら、他の科目でかなりの高得点を狙わなくてはなりません。
1題4点と1問当たりの点数が大きい行政書士試験では、商法でも得点できる問題は正解しておきたいところです。
行政書士試験の商法の特徴
行政書士試験の商法は個人商店(商法)と会社(会社法)に分けられます。
例年の出題傾向は、商法から1問、会社法から4問です。
具体的な出題傾向を見ていくと、個人商店(商法)は全部で150条程度かつシンプルな条文知識を問う問題が多いため、得点しやすいと言えます。
会社法は、ほぼ「設立」「株式」「機関」からの出題です。
つまり、商法は出題傾向に偏りがあるため、メリハリのある学習が重要になってきます。
高卒独学者の商法の得点について
行政書士試験の配点と筆者の本試験での点数をまとめました。
商法の欄を赤枠で囲ってます。
筆者は民法で思ったように点を稼げなかったため、商法の16点が大きなインパクトとなりました。もし、商法を捨てて0点だった場合、他の問題を間違えていたら不合格になっていた可能性があります。
商法を完璧に解けるレベルまで学習する必要はありませんが、少なくとも2~3問(8~12点)は正解できるように仕上げるべきだと実感しました。
商法の問題を解くときのコツとは
商法の問題を解くときのコツは、確実に間違っている肢から判断することです。
他の科目でも当てはまることですが、多くの受験生が全範囲を網羅しきれないなかで確実に得点する方法として有効かと思います。
少ない知識のなかで正解を求めるには、絶対に間違っている肢を決めきって確率の精度を高めていく方法が筆者には合っていました。人によって解き方のスタイルは異なると思いますが、参考にしてください。
商法の勉強でやるべきこと
出題範囲の広い商法の勉強でやるべきことは決まっています。
以下の3点を意識して学習しましょう。
- 演習をこなす
- メリハリを意識する
- 学習時期を計画的に定める
やみくもに勉強するのではなく、効率良く学習する意識が商法を攻略するコツです。
演習をこなす
演習をこなして条文知識と問題の勘どころを掴みましょう。
特に、個人商店(商法)はシンプルな内容なため、テキストを軽く読んだらすぐに演習に取り掛かっても大丈夫です。
会社法は複雑で理解しづらいので、テキストを読みつつ、図表で整理するといった方法も有効だと思います。
ただ、時間のない筆者はノートにまとめる時間がなかったので、最初から演習に取り掛かりました。時間のない人は最初から演習に取り組んで、分からない箇所をテキストで理解する方法が最適です。
商法は条文知識を問う問題のため、演習で条文や重要ポイントを暗記しましょう。
メリハリを意識する
範囲の膨大な商法は、力を入れる箇所のメリハリを意識して効率良く学習しましょう。
個人商店(商法)は「商法総則」と「商行為」の2つの科目から偏りなく出題されています。つまり、まんべんなく学習しなくてはなりません。
一方、会社法だと学習科目が多いものの、「設立」「株式」「機関」からの出題が大半を占めるため、この3つを重点的に学習すべきです。
商法を全く勉強しないのではなく、”勉強する箇所を絞る”といったメリハリのある学習で確実に得点することを意識しましょう。
学習時期を計画的に定める
学習時期を計画的に定めて実行しましょう。
以下の内容が筆者の戦略です。
- 三月に基本問題集を数回まわす
- しばらく手をつけない
- GWに基本問題集を完璧にする
- GW以降は気分転換に商法を解く
- 夏に肢別過去問を通して数回まわす
- 直前期は絞った箇所のみ肢別をまわす
- 古本の模試問題集をまわす
戦略イメージとして、定期的に集中して勉強することを意識しました。GW・夏に基礎固めをして直前期に実戦でも通用するレベルに仕上げる感じです。
忘れた頃に学習して知識を定着させる戦略で筆者はがっちりハマりました。
行政書士試験は行政法や民法など反復学習しなくてはならない法令科目が多いため、商法に時間をかけられません。
効率良く商法を得点源にするには、少ない反復学習でいかに自分のものにするかが重要です。
商法の科目ごとの特徴と勉強法
商法で出題される科目ごとの特徴と勉強法を見ていきましょう。
個人的に商法ほど戦略が点数に直結する科目はないと思っています。
膨大な範囲の割に配点の少ない商法は、効率の良い学習で点数に結び付けられる方法で勉強しましょう。
個人商店(商法)
個人商店(商法)の問題は素直な条文知識を問う問題が多いです。
また、商法の条文は約150条と少なめなので、過去問を解いて問われやすい条文知識を頭に叩き込みましょう。
ただし、基本テキストに付属している基本問題集だけでは演習不足です。演習量を増やすために肢別過去問集を使いましょう。
個人商店(商法)は素直な問題が多く、学習した分だけ点数に反映されやすいです。時間がないなら商法をメインに学習する作戦をおすすめします。
会社法
会社法はテキストを一読しただけでは理解しづらく、範囲も膨大です。ただ、問われやすい論点は限られているため、コツさえ掴めば比較的対策しやすい科目でもあります。
筆者は最初から基本問題集を解いて、重要なポイントに目星を付けてテキストを読む方法で学習しました。
ただし、少なくとも基本問題集は全ての項目で完璧に解けるように仕上げてください。
肢別過去問は何回か通して演習した後に、「設立」「株式」「機関」に集中して解きまくりました。
一通り問題を解くのは当たり前だとしても、全ての範囲に時間をかけるのは悪手です。ある程度会社法の全体像を掴んだら、頻出問題に絞って何度も肢別過去問を解きましょう。
直前模試問題集で重要論点を把握!
直前模試問題集の商法に集中的に取り組んで、重要ポイントを把握してください。
なぜなら、直前模試の問題集は問われやすい論点が凝縮されているからです。選択と集中の決断を学習者側でしなくても良質な問題に取り組めます。
時間・お金の無い人はメルカリなどで昨年の直前模試問題集を購入して、商法を集中的に解きましょう。
もちろん、その年の直前模試問題集も購入すべきですが、1年前の模試問題集との併用で乗り切れたので古本の活用はアリだと思います。
上の画像のように直前期は直接問題に書き込みしながら解いていました。
時間をかけられない商法で条文素読や暗記は正直コスパが悪いです。
時間のない人は基本問題集を完璧にしたら、直前模試問題集を4冊ほど購入して商法を集中的に解きまくる作戦でも良いかもしれません。
独学による商法勉強の考え方
独学で商法を勉強するなら、選択と集中を意識してメリハリのある学習計画を立てましょう。
やみくもに条文を覚えたり、会社法に取り組む方法は時間のない社会人に向いていません。
問題集で重要なポイントに絞って学習しましょう。
集中的に商法のレベルアップを狙うなら、模試問題集を何冊か購入して商法のみ解きまくる方法が効果的です。
商法は短時間の学習でいかに得点できるかが肝となります。商法を捨てるのではなく、少しでも合格点に近づけるように効率的な学習を意識しましょう。
商法で必要な問題集
商法で使った問題集をまとめたので、参考にしてください。
- 基本問題集(テキスト対応)
- 肢別過去問集
- うかる!直前模試(古本)
- 出る順 直前予想模試(古本&新刊)
商法に時間をかけるのはもったいないので、基本問題集と肢別過去問集で基礎固めができたら、模試の問題集に取り組みましょう。
模試の問題集を解くと、問われている論点は同じでも異なる方面から切り込まれたりするため、テキストの内容を完全に理解していないような人でも実力がつきます。
特に、出る順の直前予想模試は解説がしっかりしていたので、何回も繰り返して解きました。
出題頻度の低い問題は答えを覚えるのではなく、確実に間違っている肢から正誤判断を導く訓練は直前予想模試でできた気がします。
個人的に予想模試の問題集を集中的に解くという方法で得点アップにつながったので、予想模試の問題集は複数の出版社から購入しても良いと思います。
基本問題集のおすすめはこちら!
基本問題集で基礎固めは必須です。肢別過去問は個人商店をマスター、会社法は解く問題を見定めて。
直前模試のおすすめはこちら!
まとめ
行政法や民法と比べて配点比重の少ない商法は、捨て科目として扱われがちですが、確実に得点できる問題が1つは出題されています。商法を完全に捨ててしまうのは行政書士の合格から遠のくため、非常にもったいないです。
時間がないなら、少なくとも個人商店(商法)の基本的な問題は解けるようにしましょう。それだけでも、個人商店(商法)からの出題はある程度対応できるはずです。
再チャレンジする人や少し余裕のある人は、出題頻度の高い項目に絞って会社法も学習しましょう。出題頻度の高い項目に絞って学習すれば、決して時間の無駄になることはありません。
商法は合格するために必要な科目です。自分に合った学習計画を立てて、効率良く商法を学びましょう。
独学で商法の勉強が難しいと感じるなら予備校に頼ろう!
忙しくて商法まで手が回らない人や、勉強計画を立てても強制力がないと勉強を上手く進められない人は予備校に頼るのも一つの方法です。
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